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5. 血小板グループ(責任者:柏木)

(1) 特発性血小板減少性紫斑病の分子病態

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は自己血小板に対する抗体により血小板が早期に破壊される自己免疫疾患である。研究室では、自己抗原として GPIIb-IIIaおよびGPIb-IXが重要であることを明らかにしてきたが、さらに自己抗原の局在部位の同定を目指している。 また臨床研究として、抗CD40L抗体、TPO、H.Pylori除菌療法などの新規治療法にも取り組んでいる。

(2) 血小板無力症の遺伝子解析

血小板無力症はGPIIb-IIIaの先天的な質的・量的異常症であり、研究室では全国からの解析依頼もあり、現在までに44症例の解析を行い25 症例においてその遺伝子異常を明らかにしている。その中で、リガンド結合異常に起因する症例やシグナル伝達異常の症例を同定している。

(3) ADP受容体異常症の分子病態

先天性血小板異常症の分子異常の同定に積極的に取り組んでおり、本邦初(世界で5例目)のADP受容体、P2Y12異常症を同定しその病態解析を行っている。

(4) CD36(血小板膜GPIV)欠損の遺伝子異常

研究室では、本邦において健常人の約3%において血小板CD36が欠如していることを初めて明らかにした。その内の約1割(つまり0.3%)におい ては単球などの他の組織にもCD36が発現しない完全欠損(Type I)であり、その遺伝子異常の同定に成功している。しかし、残りの9割では血小板のみCD36が欠損しており(Type II)、血小板のみCD36が欠損する機序は未だ不明である。



血小板無力症ではGPIIbおよびGPIIIaが著減している。